株式会社ヒロコーヒー
CSR委員会 原田理恵

阪急うめだ本店と日本コーヒー文化学会主催、JICA関西(独立行政法人国際協力機構 関西国際センター)と株式会社ヒロコーヒーの協力のもと、阪急うめだ本店9階「うめだホール」にて「大阪でコーヒーを楽しむ会」を今年も開催することが出来ました!

約400名もの方にお集まりいただきました。ご来場いただいた皆様、本当にありがとうございました。以下、簡単にレポートさせていただきます

※ムービーは音が出ます。

まず初めに、日本コーヒー文化学会副会長、金沢大学名誉教授の広瀬幸雄先生より主催者挨拶をしていただきました。

■第一講座  「レインフォレスト・アライアンスってなに?」 
レインフォレスト・アライアンス 日本代表 堀内千恵子氏

カエルのマークでおなじみのレインフォレスト・アライアンス(RA)は、ニューヨークに本部を置く団体で、1987年地球環境保全のために熱帯雨林を維持することを目的に設立された国際的な非営利団体です。主な活動は熱帯雨林や野生動物をはじめ、水資源の保護、当地域で働く従業員の労働環境向上を目指しています。

今回の講座では、認証基準や認証の流れなどをわかりやすくご説明頂きました。 農園での森林・土・水の保全の方法や、野生動物の保護、減農薬、ごみ処理、教育、医療の提供等も認証農園の基準になっています。

現在60種類以上の作物に認証マークが付けられており、コーヒーもその中の一つです。 認証マークは色々ありますが、我々消費者が商品を購入する時、どのような人が、どのような環境で、どのように作っているかがわかる、一つの手段だと再確認しました。

 
■第二講座 「生産者からお客様へ。おいしいコーヒーの生産。」

JICA関西(独立行政法人国際協力機構 関西国際センター)のご協力で、今年は7か国の方にお越しいただき、その中から3か国の方にプレゼンテーションしていただきました。

自国の文化やコーヒーに対する考え方などプレゼンテーションしていただきました。

<ザンビア>
タグマ ジョン ジョセフ氏

中央アフリカの南部に位置するザンビア。高地の国で海抜900m〜1640mに位置しているため、ほとんどすべての土地がコーヒー生産に適しています。コーヒーは木々に囲まれた環境で育ち、この豊かな自然には鳥たちもやってきます。環境にやさしい栽培方法を推し進めています。

国土は日本の約2倍あり、人口は日本の約8分の1程度。多くの国民が農業に従事している。コーヒーは法律でクォリティの高いアラビカしか育てられないことになっています。1100m以上の高地で栽培、赤く熟した実のみ手摘みし、未熟豆と混ざらないようにしています。パーチメントと呼ばれる薄皮に包まれた状態の物を太陽と風で乾燥させ自然な風味を保つようにします。

<ブルンジ>
ンディクマナ ジェレミー氏


東アフリカ連合の5か国の一員であるブルンジ。国土・人口ともに日本の14分の1程度。 ほとんどが地方で農業に従事している。栽培している品種はアラビカのブルボン種で、1650m〜1950mあたりの高地で栽培されています。

収穫されたものはウォッシングステーションという水洗処理場に運ばれますが、品質を良くするために、未熟豆を取り除いたり不純物を取り除いたりします。手作業や水に浮いた品質の悪い物を取り除く方法で選別が行われます。

環境への配慮では、パルピングという果肉を取り除く作業を行うところでは溝を掘って取り除いたものを貯めて、外に流れださないようにし、後に肥料として利用します。また周囲に植えている野菜も汚染を抑えるのに役立っています。

<パプアニューギニア>
アロガ リオ ケパ氏

オーストラリアの北に位置するパプアニューギニア。 国土は日本より少し大きく、人口は約17分の1程度。 石油やガスなどの天然資源で約60%のGDPはこれらの算出によるもので、農業は約30%。そのうち4%がコーヒー生産によるもの。約300万人の人たちがその生計をコーヒー生産に頼っています。栽培している品種はアラビカとロスタで、95%以上の農家でアラビカを育てています。

認証コーヒーは、Fair trade(フェアトレード)、Rainforest(レインフォレスト)、Utz(ウッツ)、4C(フォーシー)、Bird Friendly(バードフレンドリー)、Tree Kangaroo(ツリーカンガルー)などです。

良い農業組合で生産されたコーヒーはCup of Excellence(カップオブエクセレンス)と呼ばれる品評会に参加します。今年度の結果はほとんどの参加グループが最高品質を示す80ポイント以上を獲得していました 。

■コーヒーブレイクタイム

7チオピアか国(エ・ザンビア・パプアニューギニア・東ティモール・ブルンジ・ラオス・ルワンダ)の生産者が持ってきた自慢のコーヒーと、ヒロコーヒーのレインフォレスト認証、パナマグランデルバル農園のコーヒーでコーヒーブレイクタイムの始まりです!

■第三講座 「さぁ、コーヒーについて語ろう!」 シンポジウ

来場の際にお配りしていたアンケートの中から、何点かピックアップして、生産者の皆様、広瀬氏、堀内氏、社長の山本に答えていただきました。

 

Q.生産国で温暖化の影響があると感じることがありますか?
A.近くに島がありました。そこにはある民族が住んでいました。いまはもうその島は海の中に沈んでいます。
◆日本でも温暖化により気候変動を感じることはありますが、同じ地球でそんなことが起きている。衝撃でした。

Q.それぞれの国でコーヒーの国内消費量は生産量の何%を占めますか?
A.国内消費量約1%です。残りは輸出します。
A.主に紅茶を飲みます
◆コーヒーの国内消費量の少なさに皆様驚いていました。

Q.先日コーヒーの苗を売っていました。自宅で収穫まで育てるのは難しいでしょうか?何年でそれなりに実を付けますか?
Q.コーヒーの木が実を付け収穫できるまで何年くらいかかるのでしょうか?
A.苗から3年くらいで花が咲き、実がなり収穫できる。
◆司会の星田様は、自宅でコーヒーの木を栽培、花が開花し実を付け収穫し自宅で焙煎もしたそうです。自家栽培、自家焙煎のコーヒーの味は・・・。ご想像にお任せしますとのことでした。

Q.消費者と生産者、どのような関係が良い関係といえますか?
A.消費者がどのような嗜好を持っているのか調査し、その嗜好に合わせて生産したい。そして持続的に取引していくこと。

一部しかご紹介できませんでしたがご協力いただいた皆様ありがとうございました。

■最後に

『生産者と消費者をつなげる場を!』と、始まった「コーヒーを楽しむ会」。 今回も多くのお客様に来ていただき、「すごく良かった!」、「このような機会をありがとうございます!」「ずっと続けてほしい」など多くの有難いお言葉を頂きました。 生産者の皆様も、「本当にありがとう!」と喜んでいただきました。

9月からヒロコーヒーではサスティナブルコーヒーフェアーを開催しております。普段ご購入いただいているコーヒーはどんなコーヒーなのでしょうか? 農薬も可能な限り使わず、小規模単位でも丁寧に作っているコーヒーがたくさんあります。 地球の恩恵を受けて出来上がる薫り高いコーヒーがどのように作られ、お客様の手元に届くのか、ヒロコーヒーは今後も伝え続けていきます。 そして持続的に環境に良い、品質の良いコーヒーをお客様にご案内し、お届けしてまいります!

最後に、このイベントに関わって頂いた全ての関係者の方々に感謝し、この場をお借りして改めて御礼申し上げます。有難うございました!