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■タケンゴン アラビカ産地訪問 翌日から第1クールスタート。 メダンから北スマトラ州のさらに北端部、アチェ特別州中央部高地部のマンデリン産地を目指す。 がここでトラブル発生。予定していたフライトがこの度の経済危機から廃止となり、車でのアクセスしか出来ないとの事。 距離にして約500キロ。フライトなら約40分の旅も車だと12時間の一日仕事となる。 産地訪問にトラブルはつきものだが、さすがにこのロスは痛い。 この第1クールのアテンダントは現地の集荷業者ダフィ氏と我々が取引しているサプライヤー、パワニー社のリオ氏。 ダフィ氏の運転で中部アチェ郡のタケンゴンを目指すが…
○地域のコーヒー消費 彼らが日常飲んでいるコーヒーはKopi Bubuk。 訪問する先々の生産農家で聞いた答えなので特別なのかも知れないがコーヒーはスーパーなどで購買せず、自家焙煎。台所で通常の調理用なべを用い焼き上げる。方々の訪問先でBubukのおもてなしを受けた。 Kopi Bubukのレシピ 1 カレースプーンでコーヒー1杯:砂糖2杯をカップに。 2 そのままガチャガチャかき混ぜる。 3 ジャバジャバ湯を注ぐ(適量、もとい適当) 4 上澄みをすすって飲む *屋台で注文すると2,000ルピア(17-8円)
○地域の様子 排他的な強いイスラム地域というイメージがあったが全くそんな事はない。 人々は非常におおらかで良くしゃべり、そもそもイスラムの一日5回のお祈りをしている人間を滞在中ただの一度も見かけなかった。 ダフィは「俺はお前達日本人の接待をしているからいいのだ」と理由をつけていたが何かにつけて言い訳を作ってルールの抜け道を探す姿が微笑ましい。 その他、豚は食べたら駄目だけど知らなかったらいいとか、日本の女の子はイスラムの女みたいに顔隠してないからいいなぁとか皆で真剣に語ったり、とにかく非常に人間的でそういう意味ではコミュニケーションがとりやすい人々だった。 長時間のドライブで疲れたろうと行程の最後にはタケンゴンの温泉に案内して頂いた。 露天風呂と公衆浴場、それに市民プールがごっちゃになった様なものか。 ただ、強い炭酸泉の泉質の刺激は中々のものだ。 そして温泉の周りに迫った山の樹形をよく見てみれば…コーヒーの木だ。 コーヒーの木に囲まれながら温泉に浸かる。コーヒーマンとしてこれほど至福のひとときがあるだろうか。疲れた身体をゆっくり暖め、タケンゴンを後にする。 その後、ダフィの運転でインドネシア第三の都市、メダンまで戻る。
■メダン パワニー社訪問 当社の扱うスマトラマンデリン・トバブルーのサプライヤー、パワニー社のバハリ・タンディ氏と面談。同氏は「マンデリン」、「トバブルー」の名付け親としても知られ、タケンゴン・エリアの良さを認めて特殊な商品を除いては、ダフィからのみ購買している。ちなみにダフィもパワニー社以外に販売しておらず、一対一の絶対的な信頼関係でつながっている。日本にいてはなかなか理解できない原料手当ての実際も訪問ミッションではよく理解できる。 ここでパワニー社関連の第1クール終了。ダフィと別れる。 ありがとうスピードスター、ダフィ。君の運転する車には二度と乗る事はないだろう。
ヒロコーヒー 焙煎責任者 山本光弘