HOME > コーヒーを楽しむ会、学ぶ会 レポート > 2016年4月15日
平成28年4月15日(金)、全国大学連合特別公開講座主催、金沢大学、神戸大学協力、(一社)全日本コーヒー協会、潟qロコーヒー後援による「コーヒー学入門」が西宮のプレラホールで開催されました。 152名ものお客様にご来場いただきました。誠にありがとうございました! 「コーヒー学入門」の内容を簡単にレポートしたいと思います。
司会進行は、金沢大学講師の星田宏司様。
第一講座は、「コーヒーの科学」 金沢大学名誉教授、工学博士の広瀬幸雄先生です。 コーヒー豆の栽培・焙煎・抽出を問題形式で学ぼうと、その中から2点ご紹介します。 コーヒー豆が新鮮だとどうして泡が出るのか? コーヒー豆を顕微鏡で見るとハニカム構造になっていてそこにガスやカフェイン、その他の成分が詰まっている。新鮮なコーヒー豆はガスがコーヒー豆の中に溜まっているため抽出の際にお湯を注ぐことで中のガスが出てくる。 コーヒー豆が新鮮かどうかわかる一つの目安になりそうですね。
焙煎したコーヒー豆はなぜ粉砕するのですか? 粉砕したコーヒー豆の粒の大きさと含有率でデータを取った粒度分布表を用いて教えていただきました。1.2mm〜0.9mmの間は成分がしっかり抽出されるのに対し、粒がそれより大きくなったり小さくなったりすると成分が十分に抽出されない結果が出ていました。コーヒー豆のままだと、また適度な大きさでないと十分に成分が抽出されない。挽き方を変えると味の感じ方が変わるのはそのためだったのですね。
第二講座は「コーヒーと健康」 東京薬科大学名誉教授、薬学博士の岡希太郎先生です。 いきなりですが、認知症の2012年の患者数は462万人、推定では2025年には750万人になるそうです。脳がどのような状態であれば健康寿命を延ばせるのでしょうか? 脳の海馬の中にある歯状回の中に記憶エンブレム細胞があり、健康な人であれば海馬歯状回に記憶エングラム(痕跡)ができる。またそれを呼び出す(検索する)ことができます。逆にアルツハイマー病であれば記憶を呼び出すことが難しくなります。
アルツハイマーネズミの実験で記憶を復元する結果があり特殊な光を当てるとエングレム細胞内の1.カルシウムが増え2.脳由来神経成長因子(BDNF)が増え、3.長期増強が起こる。4.突起(スパイン)ができる。5.記憶が残る。 では光を当てる以外に方法はあるのでしょうか? コーヒーに含まれる成分のカフェインやポリフェノールで、 1.エンブレム細胞内のカルシウム濃度の上昇 2.BDNF濃度の上昇 3.長期増強を誘導 4.スパイン形成を促進 コーヒーを飲むことで脳が活性化され健康寿命を延ばせるかもしれませんね。
第三講座 はシンポジウム「コーヒーのおいしい飲み方」 オーガニックコーヒーと普通のコーヒーとの違い、同じコーヒーでも家で入れるコーヒーとでは味が違うのはなぜ?どうしたらおいしいコーヒーが淹れれるの?など身近な質問をいただきました。
生産、焙煎、淹れ方、ひとつひとつに根拠があり、意味がある。普段何気なく口にしているコーヒーに効用がある。そんなコーヒーの違った一面を楽しんでいただけた会になったと思います。今回は紹介できなかったお話もたくさんしていただきました。 ヒロコーヒーでは年に2回コーヒーの会を開催しています。秋には生産者を交えた会も開催予定ですのでぜひお越しください。
最後に、ご参加くださいましたお客様、本当にありがとうございました。 ご協力いただきました先生方、本当にありがとうございました!
株式会社ヒロコーヒー 原田 理恵